東京島。
最新刊『東京島』。
32人が流れ着いた太平洋の島に
女はひとりだけ――
という新聞広告を見て、
「あ、これって“アナタハン島事件”じゃん!
桐野夏生が書くアナタハン読みてえ」
と思ったのは
きっと僕だけじゃないハズ。
アナタハン島事件とは、
第2次大戦中から戦後にかけて
マリアナ諸島のアナタハン島で
実際にあった事件で、
31人の男と1人の女(全員日本人)が
この島に取り残され共同生活をするうちに
たった1人の女性を巡って争うようになり
やがて殺し合いへと発展していく・・・
というフィクションを超えた現実の出来事。
絶海の孤島っていう極限状況で
男と女が生と性を剥き出しにしていく
この話を、
過去にも実際の事件をモチーフに
独特の世界を描いてきた
桐野夏生さんが書くんだから
こりゃエライことになるゾ!
と大いに期待をして読んだ。
実際の事件とは違い、
たった1人の女・清子は
40歳を超えた中年女性に設定されている。
しかも決して美しいとは言えない
腹の出たおばちゃん。
この人物設定が何とも桐野さんらしく
妙にワクワクさせられる。
また
『東京島』というそのタイトルにある通り、
流れ着いた32人が
島の各所に東京(または日本)の地名を
つけていく、という設定も秀逸。
最初に抱いた期待感は
イイ意味で裏切られる部分もあったけど、
何とも言えない後味を残すあたりは
さすがだな~、と。
とにかくテンポが良くて
あっという間に読めるので
オススメです。
都築浩
19:41:50 Posted






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